世界平和記念聖堂の制作過程にみる村野藤吾の設計意図 ―平面スケッチに着目して－

摘要

平面スケッチ①②③と最終案の、とくに正面玄関・ポrnーチ、会堂、内陣に着目し、各々の特徴を挙げたうえで、rn比較分析した。正面玄関・ポーチから聖堂内部へは、ポrnーチに並んだ6 本の柱間隔、玄関扉の大きさや配置をずrnらすことで、中心、奥へと、均質性を崩しながら、有機rn的な空間の質を高めている。会堂はコンベンショナルなrn形式を保ちながら、均質的な列柱の繰り返しに抽象化しrnていくことで、内陣まで連続性を維持しようとする。そrnれと同時に、内壁を曲面にし、柱の向きを変えることで、rn身廊から側廊への空間の膨らみを与えている。そして内rn陣は、外的影響を受けながら、その奥の壁面をキリストrnのモザイク画を映す、幕的表現へと変質させている。こrnれは通常、正面玄関・ポーチ、会堂の奥行き方向への均rn質性を受け継ぎながら、キリストのイメージをドームのrn光とともに降臨させるものとして捉え得る。しかしこれrnまでの議論を踏まえると、キリストのイメージは、奥行rnき方向への均質性が仮想させる幕の彼方から到来するもrnのとも解釈できよう。