定期検査報告制度を利用した建築設備の作動信頼性分析

摘要

本技術報告は，法的に定期検査が義務付けられている建築設備の検 査報告書という，いわば行政的な目的で作成された記述要素の多い資 料を基にしながら，これをデータ化し建築設備の故障の発生部位ゃ頻 度の分析に活用しょうとしたものであり，その努力は大いに評価され る。ただ，現時点では，検査報告書における記載内容自体を含め，2 年間という短い期間のデータに起因する幾つかの制約があり，個々の 分析結果や数値をそのまま断定的に結論とすることは時期尚早であ り，更なるデータの積み重ねと検証が必要であろう。むしろ，本技術 報告の意義は，個々の結果の解釈にあるというよりも，建築設備の信 頼性分析において，このような検査報告資料を利用した実証的研究ァ ブローチの可能性と意義を示したということにこそある。その意味で， 筆者らには，データの収集年数（経過年数）を増やして，客観的な検 証に耐えうるレベルでの分析を今後さらに進めてもらいたい。 定期検査; 建築設備; 信頼性; 火災安全%Periodic inspection reporting system is the one which the inspector makes an inspection to the building equipment and the owner reports the result to the specific administrative agency in accordance with Building Standard Law. Our laboratory gathered the data of buildings about the emergency electric lighting system and smoke exhaust apparatus along with the administrative agency on 2013 and 2014. The reliability of these apparatus can be calculated using the data and the result will be very useful to maintain these apparatus for fire safety.