第二次米中軍事衝突シナリオから見た艦艇残存性の意義: 1979年中越戦争の実態を踏まえて

摘要

2016年1月、中国政府は昨年の中国のGDPの成長率が6.9%であったと公表した。この成長率について、日本、米国、英国で疑問が呈されている。「中国経済の実態が反映されていないのではないか」、「本当の成長率はマイナスなのではないか」、「中国政府が公表する世界第二位のGDPはゥソではないか」等と言われている。また、中国政府は2015年3月の全人代において、中国の国防費は1,414億ドルであると公表した(これ以降、実績は公表されていない)。これに対し、2016年3月、ストックホルム平和研究所(SIPRI)は、中国の2015年の推定国防費は2,144億ドルであったと公表している。また、2016年5月、米国防省の「中国の軍事力に関する年次報告書」は、2015年の中国の推定国防費が1,810億ドルであったと公表している。一方、2015年11月に、トランスペアレンシー·インターナショナル(TI)は、「中国の国防費の50%は使途不明金である」と公表している。中国政府が公表するGDPや国防費は、どの数字が実態を反映しているのであろうか。仮に、指摘されている事項が正しいとすれば、中国は「世界第二位の経済大国」、「世界第二位の国防費支出国」としての立場を失うことになる。国際通貨基金(IMF)やSIPRIは、中国のGDPや国防費のデータを直接チェックできる立場にはない。そのため、中国以外の国が真実を知ることはできないかもしれない。中国の軍事力の近代化を分析する場合、何が中国政府のプロパガンダであるのか、何が実態なのかを分けて検討する必要がある。