《日常的な診療における抗菌薬の使い方：工ンピリックな抗菌薬の使い方と落とし穴》: かぜ症候群と抗菌薬

摘要

1. かぜ症候群はウイルス性疾患が大半であり，本疾患に対する無制限な抗菌薬処方は，耐性rn菌増加のリスクを生ずる．rn2. delayed prescription（待機処方）が主に英国圏で，急性上気道感染症への抗菌薬処方を減rn量する試みとしていくつかの検討がある．rn3. 「待機処方」の症例対照研究では，咽頭痛の症例などで症状改善が1日程度延長した報告rnがある．rn4. 咽頭痛を主訴に受診する症例中のA群溶連菌による咽頭炎は，成人で10%程度であり，rn抗菌薬処方の要否決定の基準が問題となる．rn5. A群溶連菌による咽頭炎を疑う症例にはペニシリン系，同系にアレルギーがあるなどの場rn合にはマクロライド系の処方が望ましい．