ギャルサン症候群

摘要

1.12の脳神経のうち，通常8ないし9以上の脳神経が広汎にかつ一側性に障害され，頭蓋内圧元進症状や四肢の運動・感覚・小脳症状を伴わないまれな症候群である． 2.病態的に頭蓋底の浸潤性病変に起因することがほとんどで．臨床的のみならず病理学的症候群という側面をも有している． 3.頭蓋底の神経放射線学的検索が重要である． 4.とくに腫瘍性病変の場合，放射線療法が有効な場合は少なく,外科的切除も困難な場合が多い．概して障害脳神経の機能予後や生命予後は不良である．本症候群にいたる以前での，早期受診・早期発見・早期治療こそが重要である．