電解質輸液をするための体液生理学のキホン

摘要

体重の約60％が水分（体液）である．細胞内と細胞外の浸透圧は等しい．臨床病態を考えるうえでは，浸透圧よりも張度がより重要である．細胞外液ではNaとブドウ糖が，細胞内液ではKが有効浸透圧物質である．体液は浸透圧調節系と容量調節系で制御されている．浸透圧調節系の主役は抗利尿ホルモン（ADH）であり，容主調節系の主役はレニンーアンジオテンシンーアルドステロン（RAA）系である．K濃度は急性調節系と緩徐調節系で恒常性が維持されている．急性調節系はインスリンとカテコラミン，緩徐調節系はアルドステロンが主役である．