スギ•ヒノキ花粉症に対する効果的な薬物治療: 鼻噴霧用ステロイド薬の可能性を展望する

摘要

花粉症は，もはや国民の1/4が罹患する国民病であり，その診療は主としてアレルギーを専門としていない一般臨床医に委ねられている.一方，2002-2011年のスギ花粉飛散数は1992 ～2001年に比ベ2.4倍に高まり，重症例，難治例の増加が懸念されている.こうした状況のもと，花粉症治療に対する患者満足度は高いとはいえず，症状が遷延化する要因を踏まえた治療戦略が求められている.そこで，わが国における耳鼻咽喉科のエキスパー卜3氏にお集まりいただき，花粉症の重症化，難治化を回避するための薬物治療のありかた，および1日1回投与で粉末剤の鼻噴霧用ステロイド薬(Intranasal corticosteroids: INS)であるデキサメタゾンシぺシル酸エステル(エリザス~®)の位置付けなどをめぐりディスカッションしていただいた.