慢性腎不全•血液透析患者に合併する心臓弁膜症

摘要

1. 慢性腎不全，血液透析患者に合併する心臓弁膜症は，石灰化病変が原因となることが多い.2. 厳格な水分管理による心不全症状出現の遅れが，外科的治療開始のタイミングを遅らせることがある.3. わが国の透析患者では，その長期生存率を考慮して，できれば抗凝固療法が不要な弁形成術を広く適応していくことが望まれている.4. 近年は，これまで人工弁置換術を余儀なくされていた症例であっても.自己心膜を使用するなど外科的治療の進歩により，抗凝固療法が不要な手術も普及している.