不随意運動

摘要

不随意運動とは,自分の意思によらず生じる異常な運動の総称で,その规则性,周期,大きさ,速さなどの運動の表現型により分類される.身体診察では,眼の前の不随意運動がどのようなものなのかを評価し,そして他の神経学的所見,一般内科学的所見を合わせて鑑別診断を考えていく.ポイントは,どこに,どのようなときに,どういうふうに不随意運動が出現するかを,丁寧に観察することである.実際の診察における不随意運動の特徴と鑑別をフローチヤートで示した）.部位については,どの筋肉·関節が動いているのか,全身か,半身か,筋肉全体か一部か,などである.どのようなときに出現するかについては,安静時,姿勢保持時,運動時,精神的なストレスがかかったとき,筋肉が疲れたときなどさまざまな誘発条件がある.原因については,それぞれの病型にて述べるが,薬剤性のものも少なくない.不随意運動とその原因となる薬剤を,にまとめた.