低濃度PCB廃棄物処理及び分析の現状と今後の課題

摘要

PCB廃棄物の処理は2027年3月31日までに終えることとされており、それに向けて今後取り組むベき処理促進施策が盛り込まれたPCB廃棄物処理基本計画が昨年6月に環境省から公表された。存在数が膨大な微量のPCBを含む電気機器やPCB濃度が5、000mg/kg以下の低濃度PCB含有廃棄物の処理促進については、民間の無害化処理施設をより一層充実させることのほか、課電自然循環洗浄法のような合理的な処理方法の実用化を図って対応していくとされている。一方で、いまだにPCB使用製品が未届けのままで使用·保管されている事例が少なからず存在することが明らかになるなど、国のPCB処理施策がPCB廃棄物の保有者に対して十分に周知徹底されていない状況が顕在化し、問題になっている。本稿では、PCB廃棄物のうち、低濃度PCB廃棄物の処理に向けた最近の取組状況について紹介するとともに、微量PCB含有電気機器を特定するための具体的な判別方法について解説する。