廃棄物最終処分場の廃止手続きにおける埋立ガスモニタリング結果の評価

摘要

1998年6月に廃棄物最終処分場の廃止基準の概要（一般廃棄物の最終処分場及び産業廃棄物の最終処分場に係る技術上の基準を定める命令）が制定され、基準に基づく各種指標（水質、埋立ガス、温度等）の調査により処分場での埋立ガス発生、浸出水発生等による汚染ポテンシャルが十分低くなったことが確認できれば、跡地管理（Aftercare)をほぼ終了して、廃止することができる。埋立が終了した廃棄物最終処分場では、水処理施設の維持管理及び環境モニタリングのコストがかかるので、いかに安定化を促進して、廃止までの期間を短縮できるかが重要となる。準好気性埋立構造は埋立中からの好気的雰囲気の形成により、早期安定化（特に内部の生物化学的反応促進）が図られるとされているが、古い処分場では有機物を含む廃棄物の埋立がされ、さらに準好気性構造が十分発揮されず、安定化が遅れる場合がある。特に埋立ガスのモニタリング結果が廃止基準を満たせずに、廃止手続きが遅れているものがある。本報告では、埋立が終了した陸上廃棄物最終処分場において、廃止基準の指標である埋立ガス成分の長期的なモニタリング結果について、廃止基準としての評価を行った事例を報告する。