光無線通信におけるPN符号を用いる階層化変調法

摘要

これまでの光無線変調法は1種類の変調法を利用する場合が一般的であり，階層化変調法に関する検討もほとんど行われていない.本論文では，擬似雑音(PN)符号を用いることにより2種類の情報変調法を融合する光階層化変調方式が提案されている.特に，コードシフトキ一イング(CSK)と振幅シフトキーイング(ASK)を融合したCSK-ASK方式，CSKとコード数キーイング(CNK)を融合したCSK-CNK方式，マルチパルス・パルス位置変調(MPPM)とCNKを融合したMPPM-CNK方式が提案されている.これらの方式は，信号パターンによって情報伝送する方式と信号電力によって情報伝送する方式を融合したものであり，各変調方式によって伝送距離や必要な同期精度が異なり，通信距離などに応じて受信情報量が異なる階層化が行える.本論文では，同期タイミングが完全である場合と同期誤差がある場合の誤り率特性が示され，各情報変調データを独立に復調できること，2種類の情報変調法の間で性能差があることが示されている.