セキュリティチップ内で生成されるRSA秘密鍵の推定

摘要

Trusted Platform Module（TPM）というセキュリティチップはパソコン等のセキュリティのためのトラストポイント（セキュリティが確保されていると仮定する要素）の一つとして用いることが期待され，何らかの耐タンパー性が必要であると考えられる.実際に利用されているTPMの耐タンパー性は様々な観点からの検討がなされてきたが，サイドチャネル攻撃に対する耐性についてはこれまで公表例が見当たらない.そこで筆者は，ある特定のTPMに閲し，そのTPMがRSAの鍵生成処理をする際の消費電力からそのTPMが生成したRSA秘密鍵を求められるかどうかを検討し，実際にそれが可能であることを実証した.このことから，TPMに対する追加的なセキュリティ要求事項の必要性が導かれるといえるであろう.%For a particular instance of TPM - Trusted Platform Module, we have shown that the RSA private keys generated inside the chip can be disclosed by some side channel attack observing the power consumption of the chip during the key generation process. Such a fact may imply the need of introducing additional security requirements for TPM.