ネットワーク固有モード伝送の実現に関する一検討

摘要

本稿では，隣接行列の部分空間を用いたネットワーク固有モード伝送について検討している．一般的に，彩理層では，複数の送受信ノード間の伝搬路の観測値をまとめた通信路行列の信号部分空間を送受信アンテナウェイトとして活用し，送受信信号を制御している．これにより，複数ストリームの並列伝送である固有モード伝送が実現てきる．一方，本稿では，ノード間の複数の接続情報をまとめた隣接行列の部分空間を送受信ノードの制御ウェイトとして活用し，送受信ノードの組を制御する．これにより，ネットワーク空間上に複数の無線リツクを同時に構築することができることから，隣接行列の部分空間を用いた方法をネットワーク固有モード伝送と定義している．本稿では，特に，ネットワークを構成する無線リンクが等しく存在する場合と偏りがある場合を検討し，どちらのネットワークでも部分空間を用いることでネットワーク空間上に複数の無線リンクを同時に構築することができることを明らかにしている．%In this paper, the network eigen-mode transmission that uses a subspace of the adjacency matrix is considered. In general, the signal subspace of the channel response matrix is used for transmitter and receiver antenna weights to achieve the eigen-mode transmission in physical layer. On the other hand, the subspace of the adjacency matrix is used for transmitter and receiver assignment weights to realize the network eigen-mode transmission. As a result, two or more wireless links can be constructed on the network at the same time. The high efficiency and reliability of these networks can be achieved by using a subspace of adjacency matrix.