地域別にみた疾病統計(13):NDBオープンデータを用いた各診療行為の医療費の新3要素分解等(その4)(発生·実施の見方と都道府県別部位別手術医療費の状況)

摘要

分布·相関編は、長瀬恒蔵氏の「傷病統計論」(1935年、昭和10年発刊)の跡を追って、目次を現代版に置き換えながら、稿を重ねることとしている。 健保組合等医療保険者は、都道府県別医療提供体制の検討と都道府県別医療費適正化計画の策定への関与が義務付けられているほか、医療費適正計画に基づく施策の実施に関しても必要な協力が求められることから、地域別疾病統計を観察している。 NDBオープンデータにより都道府県別臓器別(部位別)手術回数が初めて公表されたが、患者目線で都道府県の実態を比較するには、都道府県の規模の違いを除いた人口当たり手術回数だけでなく、それを分解した入院発生率と入院患者の手術実施率も観察する必要がある。 本稿では、都道府県別の臓器別(部位別)の手術の状況を観察するとともに、人口当たり手術回数の分解の試算を示す。