地域別にみた疾病統計(24)最終回： NDBオープンデータを用いた各診療行為の 医療費の5要素分析等(その15) (レセプト件数の意味•活用と歯科入院外医療費の5要素分析）

摘要

分布•相関編は、長瀬恒蔵氏の「傷病統計論」(1935年、昭和10年発刊)の跡を追って、目次を現代版 に置き換えながら、稿を重ねることとしている。健保組合等医療保険者は、都道府県別医療提供体制の検討と都道府県別医療費適正化計画の策定 への関与が義務づけられているほか、医療費適正計画に基づく施策の実施に関しても必要な協力が求 められることから、地域別疾病統計とその分析方法を観察している。1カ月分のレセプト件数と月末在院•通院患者数は患者数として混同されがちだが、全く異なる統計 であり、5要素分析により初めてレセプト統計から月末在院·通院患者数の推計値が得られることを示す。次に、「概算医療費データべース」と「NDBオープンデータ」の初診料算定回数を用いて、2015年度の 歯科の入院外医療費の5要素分析を行う。歯科健診•歯科保健指導•歯科受診勧奨は、後期高齢者支援金の減算(インセンティブ)の評価項目で あり、後発医薬品の使用促進やがん検診·コラボヘルスの実施等とともに重点項目かつ同じ点数配分である。