高圧噴射撹拌工法による連続壁の造成：四角ジェット（SQJ工法）における試験施工および本施工

摘要

河川内を埋立て，高速道路を建設する工事に先立ち，仮水路の確保と既設護岸部分の保護のために鋼矢板の背面に遮水壁を設置する必要が生じた。この箇所は河床面から3～4mはヘドロ層が堆積し，10m付近までは沖積性の砂質土，それ以深は沖積性粘性土層が続く地層である。鋼矢板の打設だけでは既設護岸側への透水の影響が想定され，既設護岸も老朽化しているため，民地側への影響が懸念された。遮水壁としての目的，さらに仮設鋼矢板の変形量の低減，近接する既設護岸の測方変位の低減の工法として，小型機械で噴射方向が一方向に限定され，鋼矢板や既設護岸への影響がない四角ジェット（SQJ工法）を用いることが検討され，施工に先立ち試験工事を行うことになった。また，試験施工結果を受け，本施工も行われた。本文では四角ジェット（SQJ工法）の概要と試験施工，本施工の結果を報告する。