建築分野における地盤改良技術の現状と将来展望

摘要

建築分野における深層混合処理工法の技術指針類は， 1988年の住宅・都市整備公団の設計・施工指針が最初 である。その後，1977年に日本建築センターより『建築 物のための改良地盤の設計及び品質管理指針』（以後， センター指針と呼ぶ）が出版され，建築の分野において 深層混合処理工法による地盤改良体の設計方法が明確に 示された。もともと深層混合処理工法による地盤改良は 極力排土量を抑えることができ，この点が国策に適うこ とと兵庫県南部地震において地盤改良を実施した建物に 顕著な被害が見られないことも相まって，またたく間に 全国に広まっていった。本来であれば，（社）日本建築学会 が最初に指針類を作成すべきであったが，建築センター に後れをとってしまった。