かみ合わせ鋼板巻立工法を用いた水中施工による河川内橋脚耐震補強工事

摘要

地震時の防災機能強化の観点から，救命救急活動などに必要な緊急輸送道路上の橋梁の耐震補強が推進されている。これは，兵庫県南部地震と同程度の地震に対して，落橋•倒壊などの致命的被害を起こさないレベルの対策を行うもので，平成25年度末時点において高速道路や直轄国道については対策が完了しており，地方自治体管理を含めた全橋梁においても約98%の橋梁で対策が完了している。「かみ合わせ鋼板巻立工法」とは，鋸刃状の機械式継手である「かみ合わせ継手」を用いて既設部材の周囲に鋼板を巻き立てて補強を行う工法である。鋼板は機械式に接合するため現場溶接が不要となり，水中施工が可能となる。本報は，本工法を用いて仮締切をせずに水中施工により耐震補強を行った工事の概要を紹介するものである。