新しい低温圧力容器用ニッケル鋼鋼板の実用化と規格制定

摘要

7%Ni-TMCP鋼は，2010年度に行われた「LNG貯槽用7パーセントニッケル鋼の技術基準適合性評価」の結果，ニッケル量を7.0～7.5%としてJIS G 3127の9% Ni 鋼と同等の性能を有し，関連する技省令に適合している事が確認され，大阪ガス(株)が泉北製造所第一工場において新設する地上式LNGタンクとしては国内最大級となる23万m~3LNGタンクに採用された.また，新しい圧力容器用ニッケル鋼鋼材として，ニッケル量を6.0～7.5%としてJIS， ASME (Code Case 2736,2737)， ASTM (A841 Grade G)に規格登録された.天然ガスの生産•需要拡大とともにLNGの輸送・貯蔵に対応する材料需要が高まる中，開発鋼は，破壊安全性を維持しつつ経済性を高めた省資源型新鋼材として，今後の適用拡大が期待される.