特集: 文化財建造物の火災安全対策とその展望

摘要

文化財建造物の防災対策については，1950(昭和25)年の文化財保護法制定以降，対象とする建造物の主に防火性能の向上に重点が置かれ，自動火災報知設備をはじめ，屋外消火栓消火設備や放水銃等の防火設備の整備が進められて，一定の効果を挙げてきた。一方，文化財建造物は，これまでの歴史の中で，社会や人々との関わりの中で伝統的な価値を形成してきたという側面がある。