腐食疲労特性に優れた省合金型高強度懸架ばね用鋼

摘要

近年、地球環境保護の観点から種々の構造用部材の軽量化要求が高まっており、自動車用懸架ばねにおいても同様の要求がある。一般ばね用鋼材を選定するにあたり、考慮しなければならない基本特性には、疲労特性、耐へたり性があげられる。ばねの高応力化のためには、ばね素材の高強度化および鋼の焼戻し軟化抵抗の向上が有効であり、種々の化学組成および熱処理による検討が図られている。一方、自動車用懸架ばねにおいては、疲労特性、耐へたり性に加えて、更に腐食に対する耐久性について考慮する必要がある。