画像解析を用いた汚泥焼却灰の閉塞抑制システムの開発

摘要

近年、東京都下水道局(以下、当局という)の一部の汚泥焼却炉では、排ガスダクト内や空気予熱器上部等に焼却灰が付着することにより、煙道が閉塞するトラブルが頻発し、焼却炉運転の問題となっている。平成25年度から実施している研究·調査において、①焼却灰に含まれる金属類の含有率がりhの含有率を下回ると、焼却温度より融点が低い化合物を生成し、炉内で溶解し付着することが煙道閉塞の原因であること、②煙道閉塞対策として、汚泥に金属含有薬剤を添加した上で、焼却することが有効であること、③金属類とりhの含有率の割合から閉塞危険性の判定ができ、この割合を用いて薬剤添加量を算出することが可能であること、④金属類とりhの含有率に応じて焼却灰の色に一定の変化が生じることが報告されている。ここで鍵となる金属類とりhの含有率の把握には、焼却灰の成分分析を行う必要がある。しかし、成分分析を分析会社に委託した場合、分析結果が通知されるまで数週間を要するため、焼却炉の運転に活用することは困難である。