東京下水道の歩み: 戦後から前回東京オリンピックの頃

摘要

昭和34年5月26日、ミュンヘンにてIOC総会は第18回オリンピック開催地を東京に決定した。このことが決定するや、東京都は競技場や選手村の建設にとどまらず、道路、公園、下水道、都市美化対策などをォリンピック準備事業として重点的に整備することにした。このこともあって東京都の下水道事業はいわゆる普及急伸時代に入っていった。一方、経済成長が順調に進み、その陰で環境悪化が顕在化し、その面でも下水道事業に対する期待が高まつた時期であつた。 そこで、戦災に打ちひしがれた東京において、下水道事業がようやく動き始める下積み時代の戦後から、普及が本格化したオリンピック終了後の昭和40年代前半ころに的を絞って、東京下水道の歩みについて概観してみる。