放射性物質汚染の現状把握と除染

摘要

東日本大震災時における福島第一原子力発電所の事故にともない，大量の放射性物質が環境中に放出された。その影響は，放射性物質の国土や水域への降下，食物への移行，廃棄物や下水汚泥の汚染など多岐にわたる。原発から20km圏の警戒区域と20km圏の外側で放射線量の高い計画的避難区域からの避難はもとより,これらの区域外でも相対的に線量の高い地域からの自主的避難がみられるなど，人の居住そのものに対する影響も広範囲にわたっている。