宮城県気仙沼巿舞根地区の津波浸水域におけるチョウ類相

摘要

津波などの低頻度大規模攪乱は長期的には地域の生物の多様性を高めることもあるとされている。しかし現状では復旧•復興を目的とした大規模な埋め立て事業などによる生態系への影響が懸念されている。環境評価の指標種としてチョウ類を用いる事例はこれまで非常に多く見られ，中村(2010)によると天候や時刻によって活動性が大きく影響されることを除けば，チョウ類は環境指標種として適しているとされている。これらのことを踏まえて本研究では，東日本大震災の津波浸水城においてチョウ類相の調査を行うことで，津波浸水後の生物の生息状況を把握するとともに,復興事事業の影響などを含めた環境との関連性を明らかにすることを目指した。