高リチウムイオン伝導性固体電解質の探索: 燃えないリチウム電池の実現を目指して

摘要

全固体リチウム電池の電解質として利用可能な，高リチウムイオン伝導性固体電解質を探索した。70Li_2S•30P_2S_5組成にハロゲン化リチウムを添加した(100-y)(0.7Li_2S•0.3P_2S_5)•yLiX(0≤y≤20,X=I,Br,Cl,F)ガラスおよびガラスセラミックスを合成し,そのイオン導電率を比較した。LiBrを10mol%添加した90(0.7Li_2S•0.3P_2S_5)•10LiBrガラスセラミックスにおいて,最も高い導電率6.5×10~(-3)Scm~(-1)が得られ,さらに，ガラス化の際のミリング工程を最適化することによって，8.4×10~(-3)Scm~(-1)の非常に高い導電率を達成した。このガラスセラミックス電解質は,10Vまでの電気化学的安定性を持ち，全固体リチウム電池の電解質として機能することを明らかにした。今後は,安全性の検証を行っていく計画である。