中国政府　環境対策にアメとムチ使い分け日本企業　法令遵守、環境経営からCSRへ

摘要

中国では、2008年の北京オリンピック、2010年の上海万博、2020年のGDP（国内総生産）4倍化目標と、経済成長の内陸部への波及などから、環境負荷が増大する見通しである。一方、この数年を振り 返っても、2005年の吉林省の化学工場の爆発による河川の汚染、2006年10月には、ペプシコーラ、ネスレ、シーメンス、デュポンなど名だたる多国籍企業に加え日本企業20数社も排水基準違反リストに載る など、中国の環境汚染は深刻だ。このため、中国政府は環境汚染企業に対する取り締まりを強化する一方で、環境対策に力を入れる企業の活動は奨励する「アメとムチ」の政策を展開している。