KiK-net 一関西観測点（IWTH25）の深部地盤構造に基づく地震動特性の検討（その１：深部地盤構造のモデル化）

摘要

2008 年岩手・宮城内陸地震（M7.2）では，震央距離約3km に位置するKiK-net 一関西観測点（IWTH25）において地表3 成分合成4022cm/s/s，GL−260m のVs=1810m/s の硬質岩盤に位置する地中でも3 成分合成1077cm/s/s の大加速度を記録した。地表地震動の異常な大加速度要因については，トランポリン効果や地震観測小屋のロッキング影響で説明されている。一方，地中で1G を超える記録となった要因としては，震源近傍であったことが第一ではあるが，震源域での既往の反射法地震探査からIWTH25周辺で地下構造が急変している報告があり，深部地盤構造の影響も考慮する必要があると考えられる。そこで，IWTH25 を対象とした地震動特性の把握を目的として，当該地点周辺で反射法地震探査を実施し，深部地盤構造のモデル化を行った。