秋田県における登録有形文化財建築物の利活用実態：2018年度の情報に基づいて

摘要

本論では、以下のことが明らかになった。1) 登録事例数が多い3 市の利活用事例は一地区集中型（横手市増田）、複数集中型（秋田市中心市街地及び新屋）、分散型（由利本荘市）に大別できる。特に、由利本荘市は、事例ごとの特色があるものが含まれる一方、複数事例のまとまりがあまりないため、離れた場所にある事例どうしの連携や、まだ登録されていない隣接事例の掘り起こしが課題と考えられる。2) 増田地区、角館地区とも伝建地区の指定を受けているが、地区内の登録有形文化財の件数に大きな差異が見られる　今後は、本論で明らかにすることができなかった建築物の1 棟ごとの詳細な使われ方や建築形態を探っていきたい。