寝室における温熱環境が睡眠に及ぼす影響 その16: 基礎代謝量の違いを考慮した睡眠時の温熱環境評価法

摘要

自宅寝室おける睡眠実測調査および体組成計を用いた基礎代謝量の測定を行った。全対象者の基礎代謝量の平均値は0.7 met であったが、年代性別ごとに比較すると男女ともに中年より青年において、また青年中年ともに女性より男性において基礎代謝量が高かった。睡眠時人体熱負荷の分布は、個人間の基礎代謝量の違いを考慮せず一律とした場合と比較し、個人の基礎代謝量の実測値を用いた場合において、中立に近づく傾向があった。睡眠時において人が基礎代謝量に応じて熱的に不快でない環境を形成する可能性が示され、個人間の基礎代謝量の違いを考慮することで、より適切に睡眠時の温熱環境を評価できる可能性が示された。