「首都水没」

摘要

本書は冒頭で「スイスの再保険会社『スイス·リー』が2013年にまとめた『自然災害リスクの高い都市ランキング』では、東京•横浜地区が世界第1位となって」おり、その理由は「活発になっている地震地帯に位置していることのほか、津波の危険性が高いこと、地震や洪水の危険性が特に迫っていること」をあげていると述べている。本書はその要因を江戸•東京の地形や利根川の東遷に始まる治水の歴史、さらに近年の地球温暖化による異常気象などにより説明している。だがその一方で、このような自然現象に加え近年の都市開発により東京の地下に網の目のように張り巡らされたトンネルという人工構造物が新たな災害をもたらす危険性を指摘している。