色材協会第39回顔料物性講座顔料における新領域

摘要

色材協会は顔料物性研究会とともに昨年11月11日，日本化学会等25機関協賛のもと，東京都渋谷区恵比寿の東京塗料会館において表記を開催，以下5件を報告した.化粧品における粒子の表面設計（福井技術士事務所/福井寛氏）：化粧にはスキンケアとメイクアップあり.平成25年仕上用化粧品は2,987.9億円で前年比2.5％増.メイクアップ化粧品には美しく魅せ，肌の色を整えポイントを強調する美的役割，変身願望や使って楽しい心理的役割のほか，UVや乾燥から肌を守り汗•皮脂を抑制する防護的役割がある.原料のうち無機/有機粉体の役割は，①体質顔料；タルク等伸びの軽さと透明感付与，炭カル等透明感密着感，ナイロン粉末等滑り感付与.②白色顔料；超微粒子TiO_2等のUV防御，カバー効果，白浮き防止.③着色顔料；紺青•有機顔料•染料等で美しいメイクアップや肌色の演出.④複合顔料；パール剤のマイカチタン等で艷の付与.⑤その他；金属石鹼：滑り感付与•割れ強度向上.疎水化処理粉末：上記粉末を目的に応じ金属石鹼，エステル，シリコーン等で処理.必要性質は均一に分散，触媒活性なく共存他成分に無影響，必要物質のみ吸着などで，各性質と表面処理，機能性ナノ塗工，乳化ファンデーション等を解説.開発動向は，①Blemish Balmクリーム；薄化粧，日焼け止め，スキンケア等多機能化.②ミネラルファンデーション；ミネラル成分のみで，肌に優しいイメージにより定着.今後はポイントメイクの色•仕上り持続性と，ベースメイクの仕上り特性•感触重視で，化粧下地に手間をかけたメイク，ェマルションパクトの効果感と，ケアを簡略化できるオールインワンやBBクリームへ二極化.