第7回 景気は「気分次第」？

摘要

「経済学は役に立つのか」古くて新しい問題だ。日本国政府は，「不況対策はケインズ方策に限る」と，なんとかの一つ党えで.数百兆年の公共投資を行ったが,一向に景気は上向かなかつた。それどころかむしろ景気は悪化してしまった。こういうことである。景気は短期（数年単位）でも循環するが，長期的な循環もある（有名なところでは50-60年周期のコンドラチェフの波）。長期的スパンで見れば，この四半世紀，世界経済は着実に成長している。先進国においても経済規模が軒並み2倍以上になっているのだが，そうした中でわが日本のGDPだけがまったく増えていない。「バブル崩壊」は多かれ少なかれ，どの国でも経験している。しかるに25年間も「ゼロ成長」はわが国だけである。これは不都合なことではないのか。そう思ったから.安倍総理はGDPを600兆円に増やす目標を立てたのだろう。その心意気はよし。しかし正しい政策を進めるには，それまでの失敗の総括をして間違った政策を正し，関係者の処罰から始めなければ，同じ失敗を性懲りもなく繰り返すことになるだろう。