相模原市北清掃工場の基幹的設備改良工事が完了: CO_2を23%削減，低空気比燃焼を導入三菱重工環境·化学エンジニアリングが施工

摘要

相模原市北清掃工場の基幹的設備改良工事が完了した。同工場は，1991年に稼働を開始した処理能力450t/日(150t/日×3炉)のストー力式ごみ焼却施設。稼働開始から30年が経過しているが，今回の改良工事により，2036年までの延命化を図ることで，45年という国内ではトップクラスの稼働年数を目指す焼却施設となる。同工場の設計·施工を行ったのは三菱重工業㈱で，基幹的設備改良工事は，同社の事業を継承した三菱重工環境·化学エンジニアリング㈱(MHIEC)が担当した。今回の改良工事では，MHIECの新燃焼制御システムと呼ばれる低空気比燃焼システムを導入.焼却炉に2次送風機を新設し，燃焼制御を向上させ，さらなる安定燃焼を目指した。さらに，改良前の蒸気タービン発電機の出力は2，500kWであったが，2，625kWとして発電能力を5%アップさせている。そのほか，各種機器のインバータ化や高効率モータの設置により，省エネルギー化を実現し，改良工事によるCO_2排出量の削減効果は23%に達したほか，売電収入もこれまでの年間約4，300万円から7，600万円と大幅な増収になるなど，大きな成果をあげることとなつた。同市環境経済局資源循環部参事で北清掃工場の原田道宏場長は，「市民の生活の中から出てくるごみを安定的に処理していくという非常に重要なミツションがありますので，基幹的設備改良工事を通じて，将来に向けて安定化を図れたと考えています」と話している。