小型電気電子機器リサイクルで答申環境省，今通常国会に法案を提出へ

摘要

小型電気電子機器のリサイクル制度の在り方について，中央環境審議会廃棄物・リサイクル部会に設 置された小委員会で検討されてきたが，1月31日に鈴木基之中環審会長と細田衛士小委員長から細野環境大臣に答申が手渡された。同省では，今回の答申を受けて，法制化に着手し，今通常国会に新法を提出する意向を見せている。 小型電気電子機器のリサイクルは，廃棄物減量化という環境負荷の低減のほかに資源確保の観点も加 えたもの。これまでの個別リサイクル法では，製造業者等に義務を負わせる制度であったが，答申では，小型電気電子機器のリサイクルでは，これまでに先行的に実施されている取組を包含できるように，関係者が自発的にリサイクルできるよう促進型を目指すべきとした。リサイクルの実施にあたっては，回収率の確保が重要で，最低でも20～30％を首指す。 まず，国民が機器を市町村や協力小売店に引き渡す。市町村は，剛又と普及啓発を行う。小売店は適 正な排出に協力し，再資源化事業計画を作成して国の認定を受けた事業者は，適正なリサイクルを実施する。製造業者は解体しやすい設計をすることでリサイクルへ協力する。国は，環境整備や認定事業者の指導監督，普及啓発，研究開発の促進，不適正な海外流出の防止を図る。 リサイクルの実施にあたっては，市町村が回収を行うが，そのためには確実な引き渡し先が必要にな る。そのため，確実・適正にリサイクルを行う法人を国が認定し，広域回収が可能となるように廃棄物処理法の特例を受けられるようにする。 制度の対象品日は，一般家庭で通常使用される電気電子機器のうち，家電リサイクル法対象品目を幅 広く対象とする。対象品目のうち，資源性と分別のしやすさからリサイクルすべきものを特定し．特定対象品目とすることで，分別を促進する。答申では，デジタルカメラ，据置型・携帯型ゲーム機，ビデオカメラ，デジタルオーディオプレーヤー，電子辞書など96品目を特定対象品目の推奨リストとして示した。 小型電気電子機器のリサイクルは，促進型とするために市町村の参加や回収量増加のための取組，海 外での不適正処理の防止，違法な不用品回収車業者対策を今後の課題としている。答申の全文を紹介する。