第63回技術大会研究発表論文要旨

摘要

MALDI-TOF/MSを利用した微生物同定システムは，機器は高価であるが，作業性が簡便なうえ30分程度で同定結果が得られるため，今後活用すべき重要な技術である.しかし菌種の同定にはデータベース中にデータが登録されていることが重要であり，現在飲料食品業界に必要な菌株のデータは少ない.今後さらなる機器の有用性を高め活用していくにはデータベースの拡充が必要と考える.そこでMALDI-TOF/MSの2大メーカーに対し，データベースの拡充を積極的に支援することにした.また日本国内における実際の食品変敗菌のデータ拡充が重要であると考え，日本缶詰びん詰レトルト食品協会に協力を依頼したところ菌株の提供の協力を得ることができた.今回はデータベース拡充支援の一環として協会保有菌株のDNA解析による菌種同定を実施することとした.