南座の耐震改修: 登録有形文化財の外観保存と内部意匠を復元した耐震改修と付加価値の向上

摘要

南座は江戸時代に官許された七つの櫓（芝居小屋）の歴史と伝統を受け継ぐ唯一の劇場として、今日まで歌舞伎発祥の地で約四百年にわたり歌舞伎を上演し続けてきた、日本最古の歴史を有する劇場である。現在の建物は昭和4年（1929年）に当時の技術の粋を尽くして竣工し、官許の証である櫓を備えた桃山破風造の外観を特徴としている。京都の歴史的景観に溶け込んだ名建築であり、国の登録有形文化財に登録され、京都市の歴史的意匠建造物にも指定されている。