北海道南西沖地震&津波(1993): 津波火災発生と消防活動困難性の問題表出の契機

摘要

1993年（平成5年）7月12日午後10時17分に発生した北海道南西沖地震は、マグニチュードは7.8で、震源に近い奥尻島を中心に、火災や津波で大きな被害を出した地震であった。地震から5分後には札幌管区気象台から「オオツナミ」の津波警報が発令されたが、避難した住民は、1983年の日本海中部地震時の教訓から早めの避難が可能であつたと指摘されている。一方で、極めて早い大規模津波の来襲によって、多くの住民が逃げ遅れる結果となった。