大電力FM同期放送網の構築

摘要

東日本大震災以降、災害時におけるラジオの重要性が見直され、地域ICT強靭化事業の一環としてAMラジオの災害対策や難聴対策を目的としたFM補完局の整備が始まった。FM補完局においては原則90～95MHz帯の周波数が割り当てられるが、瀬戸内地域のように電波が輻輳する地域では周波数不足が懸念される。また、76～90MHz帯のFM帯域では、既に新規の割り当てが困難な状況である。このため同一地域内を同一周波数で放送することができれば、周波数の有効利用につながる。またカーラジオ等の移動受信においては、行く先々で再チューニングが不要となるため、リスナーの利便性が向上する。しかし、そのためにはFM同期放送の実現が不可欠である。