輸送体探索技術物質生産の効率化に向けた輸送体探索技術の開発

摘要

現代社会では、アミノ酸、抗生物質に加え、プラスチック原料となる有機酸、アルコールなど多種多様な化合物が微生物等を用いて製造されている。微生物を用いた物質生産において、最終産物が膜不透過性である場合、生産物は膜を透過しないため細胞内に留まり生合成反応を阻害する負のフィードバック反応を引き起こす。そこで、最終産物を細胞外に排出する排出輸送体の導入が必要となる。一方で、生合成反応の中間物質が意図せず細胞外に排出され、最終産物の生合成に至らない場合もある。この様な場合には、中間産物を排出する輸送体を同定し、遺伝子を破壊する必要がある。このように、化合物生産において物質の輸送を制御する技術は「輸送体工学」と言われ、その重要性が認められつつある。