【設備機器】設備の更新工事における大型機器の設置計画

摘要

設備の更新工事では，一般的に設備機器• 配管な どの耐用年数が建物よりも短いため，建物は既存のま まで，設備のみ更新する事例が多い。特に，熱源機 器やその補機類（冷却塔，空冷ヒートポンプチラ一， 空冷ヒートポンプ室外機など）は屋外設置であり，建 物の屋上階に設置している場合も多く，その場合は屋 上階の耐荷重の検討が必要になる。昨今の熱源機器 はさまざまな製品があり，設備更新時に，より効率の よい設備システムに変更したり，ガス式を電気式（ガ ス吸収式を電気ヒートポンプチラ一など）に変更する など，既存とは異なる設備システムを選択することが ある。また，冷熱需要の増加から，機器容量の増加 を検討する場合もある。単純に既存と同じシステム で，重量が同じ（または減少）設備機器に更新する 場合は問題ないが，設備システムの変更や機器容量 の増加により，機器の荷重が建物の許容積載荷重を 超える可能性がある。特に，1981年以前竣工で新耐 震設計法以前の計算法で設計している建物や竣工当 時の構造計算書が手に入らないケースでは，安易に 機器を更新•新設することで，建物崩壊などの重大 な事故につながるおそれもある。このように，屋上階 に設備機器の設置を計画する場合，既存建物の許容 積載荷重の確認が必要になるため，基本計画時に簡 易的にチェックできる要領書が非常に有効になる。