Ⅱ.建築材料早わかり21|木造に有効な建築材料03木材の変色対策

摘要

木材を表面処理せずに，無垢のまま屋外に暴露していると灰色化する。広い意味で「風化」と呼ばれることも多い。英語では"greying"であり，黒髪に白髪が交じるのも"greying"である。木材の化学的成分はセルロース，へミセルロース，リグニンである。この中でリグニンが木材に褐色を付与する主成分であり，屋外では紫外線や風雨の影響で分解して，無彩色化し，灰色になる。経年した住宅外壁の下見板などは，風化により灰色となっているのが普通である。例えば，ログハウスの丸太の表面が経年により灰色化するのは，欧州などで結構好まれている。その証拠に，木材塗料の色彩メニューの中に灰色が存在する。また，欧州などでは，無垢の木材表面を促進的に灰色化処理するための薬液が利用されている。日本では，逆に，灰色化した木材表面を漂白·着色したりして褐色の木材色に戻そうとする処理が存在している。