大スパン複層鉄骨トラス架構の支保工の合理化

摘要

大規模体育施設として，ナショナルトレーニングセンター拡充棟営工事が行われ，2019年6月に完成した(写①②)。本建物は南北方向約100m,東西方向約110mの規模をもつ1棟で構成された建物で，中央の鉄骨造純ラーメン地上6階建部分を境に，西側にスパン45m，東側にスパン37mの鉄骨造複層大トラス梁架構による大空間構造を有する建築物である（図1，2)。西側は単層の大トラス梁による大空間（ただし一部は2層）で，東側は3層にわたる大空間で構成されている。大トラス梁は3本の組柱で構成される外郭トラス柱（側板付きH形鋼斜梁と4面ボックス柱で構成）で支持されており，外郭トラス柱は外壁面の意匠上の特徴にもなっている（写②)。本工事では，タイトな工期と高度な要求品質に対して，大スパントラス架構の合理的施工が，最大の課題であった。