会員フォーラム

摘要

八幡浜市立日土小学校は、同市に勤務する松村正恒(1913～1993)の設計で、1958年に竣工した戦後木造モダニズム建築の傑作である。日土小学校は1999年、「DOCOMOMO Japan20選」にも選ばれ、その後10年を超える保存再生活動が実を結び、2009年6月に改修工事が完了、「重要な文化財」として「使い続ける」現役の学校に生まれ変わった。この保存再生事業は、昨年大きな三つの評価を受けた。一つ目は「2012年日本建築学会賞(業績)」を受賞したこと、二つ目は年末に日土小学校が「国指定重要文化財」に指定されたこと、そして三つ目が、ニューヨークに本部を置く「ワールド•モニュメント財団」(以下WMF)から、保存再生に携わったコンソーシアムに対して「2012年ヮールド•モニュメント財団/ノールモダニズム賞」が授与されたことである。