「近代復興」再考:これからの復興のために

摘要

東日本大震災から2年が経過しょうとしている。本号では、近代福祉国家、高度資本主義経済、そして、成長型社会を前提とした従来型の復興を「近代復興」と名付け、その枠組みを批判的に検証したうえで、これからの復興のかたち、ポスト「近代復興Jを展望したい。東日本大震災後の復興で生じているさまざまなアポリアに向き合い、今後の大規模災害への備えを検討し始めると、中央政府•官僚主導の基盤整備を中心とする事業が先行し、住宅については仮設から復興への単線型プロセスを基本とするといつた特徴を有する「近代復興」に代わる、新たな復興の姿を真剣に考える必要に迫られる。