新潟市江南区文化会館

摘要

本施設は，多目的劇場，図書館，郷土資料館，公民館から成る複合公共施設で，4つのゾーンを「十字ストリート」というサーキュレーションで一体化し，それぞれのプログラムにアクセスできる複合化のメリットを最大限に生かした建物である。これらの場は地域の人とのヮークショップを通して，使い勝手や身体寸法を基に計画されている。限られた面積の中で，最大限に空間を生かす方法として，平面的に部屋を開放し可変することで大きな部屋にでき，断面的には，2層に渡る空間を人れ子状にし，斜め壁を用いることで，視界を広げ，やわらかな光を内部に取り込み，実際の広さ以上の空間体験を可能としている。断面や壁のズレを利用して，呼吸する壁が光やエネルギーを運ぶことができ，構造としても機能している。この建物は，既存の体育施設（ァスパーク）の北側にあった湿地帯の上に計両された。外構計画では，この建物の基礎を掘るのではなく，逆に現壮敷地とァスパークのレベル差を塊めるように計画し，敷地全体の切土・盛土を調整して外構工事のコスト削减にも貢献している。この敷地全体の計画により土地の持つ負の要素を補い，逆に既存施設との連携を強化し，全施設がランドスケープとしてユニバーサルに繫がっている。