名誉会員 追悼

摘要

本会名誉会員、干葉大学名誉教授の小原ニ郎先生が、2016年5月12日に99歳でご逝去されました。ここに謹んで哀悼の意を表します。小原ニ郎先生は、1916年11月に長野県のお生まれで、中学の先生に「絵がうまいから」とのすすめで、千葉大学の前身である芝浦の東京高等工芸学校、木材工芸科に入学されました。卒業後は、日本楽器に勤められ、軍隊の招集により4年間、旧満州に従軍され、帰国の後に京都大学林学科に入られました。2年後に再び軍隊に招集されましたが、除隊後に京都府立大に赴任され、木材の老化、仏像の研究をされました。昭和31年千葉大学木材工芸講座に赴任、人間工学を手掛かりに室内計画講座を立ち上げられました。学校家具の規格づくりに児童•生徒の人体計測、立位姿勢やいす•シート，腰掛姿勢のレントゲン写真の撮影、いすの体圧分布やモアレ写真による姿勢の可視化など、インテリア計画における人間工学実験をはじめ、国鉄委員会における新幹線•在来線車輛の腰掛や車輛のアコモデーシヨンの研究、インテリアの工業化、インテリアのリフォームなど、結果として10年毎にテーマを変えられながら教育•研究•行政など、幅広い貢献をされてこられました。その成果である執筆書籍数は、30冊を優に超え、家具，インテリアなどのテーマでNHK•民放の放送回数は110番組に及びます。