終わり方から考える建築デザイン

摘要

今回は建築討論特集043「特集：構築と分解——終わり方から考える建築デザィン」(特集担当：小見山陽介[建築討論委員会])を取り上げます。特集前言では、本特集の構想のきつかけとなった「資源貯蔵庫としての建築」の概念について次のように説明されています。気候変動対策への国際協調から地球環境負荷の小さい建設が志向されている。一方で研究報告『EUウッド』(2010)は、低環境負荷建材と目された木材も、エネルギー源•CO_2吸収源としての森林資源とのバランス利用が求められる有限の資源であることを示した。そこで注目されているのが、OsM(Offsite Manufactured、工場で正確に製造し、現場で正確に組み立て省資源化を図る)や、DfD(Designed for Deconstruction,将来の解体•移築を予め想定し建材を繰り返し使う)といった研究分野であり、そこでは建築はBAMB(Building as Material Banks、資源貯蔵庫としての建築)として、分解可能な建築材料が一瞬だけ固定化されたものと捉えられる。