住み継ぐために：過疎地域での取組み

摘要

わが国の地域間格差は、特に人口格差や経済格差、教育格差といった観点から論じられ、「国土の均衡ある発展」を理念に生活環境の維持•向上を目指してさまざまな方策が講じられてきた。しかし、その格差はかたちを変えながら存続しており、人口減少社会となった今日、集落の消威が危惧される過疎地域も少なくない。農·森林•水資源を有する集落の消滅は、都市部の生活環境の悪化とも深く関係してくる。こうした事態を背景に、本稿では過疎地域における住まいも含めた居住の持続に向けた活動の好事例を取り上げ、その特徴を考察する。